車に乗っていて一番困るトラブルのナンバーワンと言ってもいいのがエンジンがかからない事から起こる走行不可能な状態です、昔の車に比べ今現在乗られている車の大半が電子制御化され、ほとんどの制御を電子部品に頼っている現在、エンジンのかからなくなる理由は上げればいくつもあります、車種ごとに癖のようなもの(壊れやすい箇所)もありますから、「エンジンがかからない!」と言われ「絶対ここだよ!」とは言えませんが、今回のよくある故障(燃料ポンプ編)ではそんな中でもほぼ確実に起こると思われる故障について紹介します、今回の故障は致命的な故障なので該当する可能性のあるお車に乗られてる方はご注意くださいね!

燃料ポンプ1 左の写真が今回紹介している故障原因の燃料ポンプです電子制御式燃料噴射エンジン装着車(一部のキャブレーター車)には必ずと言っていいほど使われています、装着箇所は主にガソリンタンク内部(インタンク型)とガソリンタンクの外(アウトタンク型)の2つに分けられます、インタンク型の場合、ポンプ交換をする時にガソリンタンクを下ろさないとできないお車も中にはあります、どちらかと言うとインタンク型のお車がほとんどです、赤丸で囲ってあるのが燃料ポンプ本体で青丸で囲ってあるのが燃料ポンプで吸い上げる時に大方のゴミを取ってくれるフィルターです。
燃料ポンプ2 今回のお車はインタンク型のお車です、エンジンのかからない原因が燃料が流れてないと判断してポンプだと疑った場合、ポンプの動作点検作業で必ず気をつけなければならないのがキーをONにしてポンプが回っていないからと言ってポンプだと断定してはいけないことです、燃料ポンプまでの電気回路にはリレーがかませてあるのでもしかしたら・・・・リレーかも・・・?と疑ってかからないと駄目でもないポンプを交換した上に違かった・・!なんて事になりかねませんからね!ただでさえポンプの値段が高いので「違いました・・・!」じゃ許されないですね!点検はポンプにはじかにバッテリー電圧を、ポンプまでの電気回路には電球をつないでキースイッチONで電気が来てるかどうかをしっかり点検します。
燃料ポンプ3 左が新品の燃料ポンプで右が外した壊れた燃料ポンプです、左の新品と比べるとフィルターの汚れ具合などがはっきりと確認できます、ポンプ自体は非分解部品なので内部修理と言うわけにもいきません、お車によってはポンプだけ交換と言うことが可能なのですが、今回のお車はポンプアッセンブリーといってポンプだけでは部品供給が無く、ガソリンレベルゲージなどもセットでの交換となります、ただでさえポンプの値段が高いのでポンプだけ出てくれればいいのですが・・・・!仕方ないです!!
燃料ポンプ4 ポンプ自体は非分解なのですが今回は故障原因を知っていただくためにあえて分解?(破壊)してみました、ポンプボディーの鉄板が分厚いので旋盤で切ってしまいました、分解するだけでかなりの苦労です、左がブラシの納まっているケースで、真ん中がアーマチュア(回転部)、右側が電磁石の入ったヨークという部分です、ポンプ部はヨークの中に収まってます、内部構造はこんな感じです!
燃料ポンプ5 赤丸で囲んである部分がブラシ部分です、写真が小さくて見にくいですが丸い形に磨耗しているのがなんとなくわかっていただけると思います、ブラシは徐々に減っていきいずれ使用範囲を超え接点が接触しなくなり電気が流れなくなり、ポンプが動かなくなると言うことです、なんとなく原理はわかりますよね?そのことから燃料ポンプは使っていればいずれ寿命は来てしまうという事です、しかし問題は次です!!
燃料ポンプ6 上で紹介したとおりブラシが減るのは正常なことなのです、ブラシが直接接触する部分をコンミテーターというのですが、本来コンミテーターは磨耗してはいけないはずなのですが、なぜか磨耗してやせ細てしまっています、赤丸の部分ですが、段付きになっているのがわかりますでしょうか?やせ細ってしまい、接点部分が無くなり電気が流れない状態まできてしまっています、調べてみるとどうもコンミテーターの磨耗はマイナス極ブラシとの摺動が原因らしく、部品メーカーではその原因のデーター解析も行われているようです、しかしその原因が改善されていないポンプが今現在走っている車の大半に装着されているのですから壊れるのは理解いただけますよね?

今回紹介したよくある故障(燃料ポンプ編)ですが、燃料ポンプ装着車のどのお車にも必ず当てはまることです、燃料ポンプの故障は何の前兆も無くいきなり訪れる事がほとんどです、分解して内部を点検する事も出来ないですし、ポンプが壊れてしまってからでは遅いのも事実です、部品の値段も決して安いも物ではありません、お車の車種、クレードによってさまざまですが、部品代だけでも安い車では1万円切るぐらいから高い場合は4万、5万当たり前!などと言うのもあります、外車にいたっては8万、9万何て言うのもあるぐらいで少し考えてしまいますが、ここで一番お伝えしたいのが「もし出先でポンプが壊れたら?長距離走って旅行先でいきなり壊れたら?」という事です、近場でもエンジンがかからないとなったらレッカーしかないですよね?レッカーを頼んだらレッカー代だけで部品代くらいにはなってしまう場合もあります、旅行先で壊れたら?レッカー頼んで近場の修理工場に運んでもすぐには直らないです、なんせ部品は車によって違うし、部品の値段も高いので部品を在庫している修理屋さんはほぼ無いでしょう!ディーラーさんでも工場にはほとんど在庫してはいないと思います、部販に取りに行って修理と言う形になるでしょう、そうしたら早くても一日がかりの作業となるでしょう、メーカーにも部品が無い場合は・・・?エンジンのかからない車には乗って帰れないので旅行先にお車を置いてきてまた取りに行く?そんなことにもなりかねません、そんなことにならないように燃料ポンプに関しては少し早いかな?と思っても交換するべきではないでしょうか?目安としてはやはり10万キロ前後だと思いますが、これまで数え切れないほどの燃料ポンプ交換を行っておりますが2万キロで壊れたお車もありますので一概にはなんとも言えないのが現状です、しかし一般では10万キロを目安にしてもらえばほとんど平気だと思います、これに当てはまらないのがこれまでの当社の経験から2社ほどあります、国産ではN産車とス○ル車が特に故障が多いです、共に同じ部品メーカーのポンプを使用してるケースがほとんどで、上にあげたコンミテーターの磨耗が著しく激しいのでよく故障します、他のメーカーでも同じことが考えられるので心配な方は早めの交換を心がけるようにしましょう、心配だな・・・!と思った方は是非当社にご相談ください!!